
クロモジの挿し木にチャレンジ!【前編】
もりまちでは、岡崎の森に自生する「クロモジ」を地域の新たな資源のひとつとして活用しています。
これまでは、オリジナルブランド「moritone(モリトネ)」より、岡崎の森で採れたクロモジの枝を「Okazaki Kuromoji sticks」として販売してきました。お茶にしたり、お風呂に入れたり、ごはんと一緒に炊いてみたり。香りをきっかけに、森の恵みを身近に楽しんでもらう商品です。
山にあるものを採り続けるだけではなく、人が使う分の一部を、自分たちでも育てられたらいいよね。そんな話から、2026年、もりまちではクロモジを「育てる」ことにも挑戦し始めました。
【そもそも、クロモジってどんな木?】

クロモジは、クスノキ科クロモジ属の落葉低木です。山地に生え、若い枝は緑色。枝や葉には芳香があり、古くからお茶や、和菓子に添える楊枝などにも使われてきました。
なんといっても魅力は、その香り。爽やかな中にどこか香ばしさもあるような、繊細だけど存在感のあるその香りに可能性を感じています。
岡崎の森でもクロモジは見られますが、どこにでもたくさん生えているわけではなく、もりまちで確認しているのは一部の地域です。山の中の採取しにくい場所に生えていることもあります。
【森のクロモジを、育ててみたい】
香りの木として、昔から食や暮らしの道具に使われてきたクロモジ。そんな里山の知恵を、もっと多くの人に知ってもらいたい。私たちが「おいしい」「たのしい」と感じた森の恵みを、まちにも届けられたらうれしいです。
ただ、山に生えているクロモジには限りがあります。山の恵みを使わせてもらいながらも、とり尽くさない。人が使う分は、人の手でも少しずつ増やしていけないか。そんなことを考え、管理しやすい場所で育てる方法を探ることにしました。
今回挑戦するのは「挿し木」です。実験しながら、岡崎の環境に合う育て方を探していきます。
目標は、まず3分の2くらいが無事に育つこと! ……だったのですが、なかなかそう簡単にはいきませんでした。
【挿し木用の枝を採取】
7月初旬、夏の気配を感じさせる天気の中、岡崎市千万町周辺の山へ向かいました。挿し木に使うための緑色の若い枝を中心に探します。
クロモジは雌雄異株で、実をつけるのは雌株です。今回は、実がついている株から採った枝と、実がついていない株から採った枝を分けて管理することにしました。実がついていない株が雄株とは限らないため、今後の開花や結実も見ながら雌雄を確認していきます。
一つの株から採りすぎないこと、木を傷めすぎないことにも気を付けながら、約300本の挿し木ができる量を採取しました。

森の中では、小さなクロモジも発見。クロモジの赤ちゃん、かわいい…!こういうのを見つけるとちょっとうれしくなります。

【約300本の挿し木にチャレンジ!】
採取した枝は、その日のうちに挿し木にしました。今回はまだまだ実験段階。どんな条件なら育ちやすいのかを見るために、あえていくつか条件を変えて試しています。
挿し穂は約5〜20cmと、あえてさまざまな長さに調整。乾燥しないように葉をカット。枝の下端を斜めに切り、約2時間水を吸わせた後、発根促進剤を使用してマルチポットへ挿していきます。
用土は、赤玉土・鹿沼土・市販の挿し木用土の3種類をそれぞれ単独で使用しました。
約300本分となると、枝を切って挿し穂をつくる作業だけでも、けっこう大変でした。切っても切っても終わらない…。3時間ほどかけて作業を終え、最後にたっぷり水をあげます。


「元気に育て〜」と声をかけながら、ここから管理スタートです!
→【後編:挿し木の管理】へ続く