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【森が人をつなぐ~納品事例インタビュー~】 株式会社アイシン 長谷川将剛さん、黒田雅樹さん編

株式会社アイシン 長谷川将剛さん、黒田雅樹さん編

(株)アイシン様は、刈谷市に本社のある、自動車部品メーカーで 2025年3月現在愛知県内に17の工場を有します。その中でも岡崎東工場は約3000人が勤務している地域最大の工場です。
今回は、工場内のビオトープに岡崎市産材のベンチを4台設置いただきました。ベンチのメンテナンスの説明も兼ねてメンバー2人でお邪魔しビオトープも見学させていただきました。


【森林環境研修プログラムを受けて、あ、結構森の状態ってやばいんだなって気がつきました。】
今回お話しをお伺いした長谷川さんと黒田さんの在籍する課では、工場のカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブそしてサーキュラーエコノミーの取り組みなどを担当され、工場内のビオトープの整備も担当されています。このビオトープには工場排水をきれいにした水を流れ込ませ、近年生物多様性の観点から「固有種や希少種の保全」「地域の森に貢献する」「持続可能な開発のための教育」の3つのコンセプトを掲げネイチャーポジティブに貢献するための再生プロジェクトが始動しています。

長谷川さんは、業務のヒントになればと11月に弊社で実施した森林環境研修プログラムを会社のメンバーと3人でご受講いただきました。「最初は、他社の方ともご一緒できるということで情報交換もできそうだ。という気持ちで参加しましたが、研修を受けて森の仕事に関わるいろんな人の話を聞くと、自分が知らなかっただけで、森って結構やばい状態になっちゃってるんだな。なんとかしなくちゃいけないなと思いました。」と。研修中に市産材でビオトープに置くベンチを作ろうというアイデアで盛り上がり、そのまま実現へと至ります。
現在は、「自然と共生する工場」というアイシンの社内認定をとることと、環境省が主催する自然共生サイトへの登録も将来的には目指しています。そのためにも、今後は社員や地域の小学生に向けての環境教育の実施を予定しています。

【ビオトープが特別ではなくて当たり前の場所になってほしい】
「今は、ビオトープって特別な場所になってしまってるけど、打ち合わせで使ったり、地域の人との交流の場になったりしてほしい。」
「そうそう、バス停がせっかく目の前にあるので待ち時間とかに気軽に寄ってもらえるようにしたいよね。」
とお話しされる二人。水を戻して、再生し始めたらこれまで来ていなかったアオサギが到来したりと、確実に良い方向には向かっているとのこと。しかし、現在は寒さもあってまだまだ社員の方が日常的に訪れる場所にはなってはいません。
「それを実現するためには、人の意識を変えなくてはいけないと思っています。見た目はいくらでもきれいにできるけど、従業員がネイチャーポジティブに対して自分ごとになっていくことが一番難しい。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーは数字目標にできるんですけど、ネイチャーポジティブはそれがない。それでもやらなくちゃいけないんだよという意識を持ってもらうのが難しいですね。」と語ります。人の意識を変える。というのは、弊社もいつも課題に感じている部分です。難しいですが、それができれば一気にいろんなことが動き出すのも事実です。

【どんどん取り替えていくことで循環すればいいですね】
今回訪問の理由の一つには、設置したベンチのメンテナンス方法の説明がありました。資料とともに説明をすると長谷川さんから出てきた言葉は
「メンテナンスも大事だけど、悪くなったら替えたらいいんですよね。そうする方が森の木の循環になるんですもんね!」でした。工場で働いている人全員の意識を変えるのには時間がかかりそうですが、お二人がベンチに座り熱く森や自然、そして自社のビオトープの取り組みを語ってくださる姿がとても印象的でした。その熱が社内や地域にじわじわと広がっていくよう、弊社もお手伝いをさせていただきたいと思います。


株式会社アイシン 岡崎東工場
岡崎市大幡町大入1−1
※現在は、一般の方は自由に出入りすることはできません。

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