森林環境研修プログラムを実施しました。
株式会社スノーピークビジネスソリューソンズ(愛知県岡崎市)と協力し、岡崎市の森林環境を舞台とした企業向け「森林環境研修プログラム」のモニタリングキャンプを、2024年11月12日(火)から11月13日(水)にかけて開催しました。本キャンプは、地球環境や生態系に配慮した企業活動を推進できるサステナブル人材の育成を目的としています。矢作川流域で活動する企業および行政の職員、延べ14名が参加しました。参加者は、岡崎の豊かな森林環境を体験しながら、持続可能な企業活動やCSR(企業の社会的責任)に関する理解を深めました。また、参加者同士のディスカッションやネットワーキングを通じて、新たな知見を共有し合う貴重な機会となりました。
以下では、当日の様子を詳しくお伝えします。
1日目
【岡崎の山の現状を知る】
(株)もりまち加藤より、基礎知識として岡崎の森林割合やその山の歴史や現状、今抱えている課題などを共有させていただきました。午後からのフィールドワークのための予備知識となります。
【テント設営講習】
スノーピークビジネスソリューソンズのスタッフ石川さんの指導の下、本日宿泊するテントを2人1組で組み立てます。
わんパークの広大な芝生の上に自分の寝る場所を自分で作る。普段はなかなかできない体験ですが、人が生きていくうえではとても基本的で大切なスキルであることを感じます。
本プログラムは「キャンプ」という形式にこだわって設計しました。キャンプを通じて本プログラムを実践することで、日常では得られない自然との一体感を味わい、自然や森の価値や重要性を深く理解することができます。また、限られた資源を工夫して使う体験を通じて、環境への配慮や持続可能な社会への意識を高めることができると考えています。
【整備されている森とされていない森を見学】
財産区というとてもきれいに管理されている山とその隣にある手入れが不十分な山を見に行きます。それぞれの山を実際に見て、心と体でその違いや、岡崎の山の現状を感じていただきました。
【森林伐採現場を見学し林業従事者の話を聞く】
森林組合で働く香川さんに、木を倒すところを見せていただきお話をお伺いしました。とても危険が多く厳しい仕事であることや、林業従事者や業界を取り巻く現実はもちろん、そのなかでどんなやりがいや達成感を感じているのかをお聞きしました。「仕事は楽しいですよ。」と笑う香川さんにみなさん、少し驚いている様子でした。
【製材所を訪ね地元の森への想いをお聞きする】
宮崎地区で市内ではわずかとなった製材所を営む(株)しらいの白井さんに製材機を使っての作業を見せていただいた後にお話をお伺いしました。「裏の川で孫と泳ぐためにこの仕事を続けたい。」という白井さんの地元の山や川への想いを聞き、参加者さんもご自身の事業や暮らしについて少し考えるきっかけになったようです。
【わんぱーくへ戻り振り返りワークと、(株)もりまちの取り組みを発表】
岡崎の山が持つ課題や、働く人の想いに触れていただいたフィールドワークの後に、(株)もりまちが今、森の課題解決のために実際に行っている事業や、取り組みについてお話ししたのち、ご自身を振り返ってのワークを実施しました。ご自身の暮らしや事業がどう森に関係しているのか?普段あまり考えていなかったことを問い直す時間になりました。
【食事と焚火トーク】
今日見学してきた山がはぐくむ水で育ったお米(ミネアサヒ)と、農家には獣害とされているシカやイノシシのソーセージや彼らが餌とする芋などを使ったお料理をいただきました。あたりまえに食べている食事も、じつは水を守る山があってこそのものであることを改めて感じつつ、山の木を使った焚火を囲みました。フィールドワークで講師をしてくださった方々も交えお酒を飲みながら語り合う夜はあっという間でした。
【テントサウナ】
薪を使ったテントサウナで、体を温め整う体験をしていただきました。わんパークという立地だからこそ見られる夜空を見上げながらのテントサウナは格別。この暖かいお湯を沸かしているのも森の恵み。体験を通じて、自分たちが普段受けている森の恩恵を感じることができるました。
2日目
【ワークショップ】
各グループに分かれて、昨日のフィールドワークを元にしたワークショップを実施。それぞれが、わんパーク内にあるワーケーションスペースの中や周辺でグループワークをしました。心地よい自然の中、全くほかのグループの声が聞こえない状態でのワークショップは、この場所ならでは。自由なアイデアで進めることができました。
【発表】
最後は大きなタープの下に集まり、3グループが発表。それぞれの発表に感想をのべあいながら楽しい時間となりました。森の課題はいろいろある中で、各人が企業に持ち帰りどんなことができるか。少しずつ見えてきたような気がします。
【参加者さん感想】
・現場で働く人の生の声が聞けたことがよかった。
・普段の業務においては、環境保護や生物多様性などの重要性を社内に広め、活動を進める業務に携わっていますが、言葉に重みや深みがないことに不安を感じていました。今回、色々なものを見て、聞いて、触って、体験することで、今後の行動に自信が付き、本気で考えることが出来るようになったと思います。
・一次産業の最前線で働かれる皆さんの環境保護に対する熱い思いに触れることができた。
・地元の食材に親しめた晩御飯は、森・海など自然の大切さを直に感じ取れた。
・過去に多々研修を受けましたが、今回の様に心を動かされた研修は初めてです。
・自然共生や地域貢献に関心がない人でも、これに参加すれば何かが変わると思います。
・持続可能な生態系の中にこそ人間は存在しうる。この認識なくてはどのような事業活動も無責任なものと言わざるを得ないことに気づかせてくれました
【担当者所感】
今回のプログラムは、矢作川流域にお勤めの業種の異なるさまざまな方にご参加いただきました。アウトドア初体験という方もいらっしゃいましたが、全員の方に満足していただき、また心打たれる感想をたくさんいただくことができました。世代を越えて育てられてきた森や、林業に関わる方の使命感や熱い思いは、訪れる人の心を打つものであることを改めて感じ、このような機会を増やしていくことが森の魅力や必要性を伝えることにつながるのはもちろん、各企業やそこで働く人が生き続けていくために大切なことに気づき、やりがいをもって仕事をすることにつながるのだと確信することができました。
これからの企業活動は地球環境への配慮が求められる時代です。このような背景の中で、本プログラムの重要性は今後ますます高まると考えております。森や自然との関わりを通じて、地球環境への理解を深めるとともに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みに貢献できる機会を、より多くの方に提供していきたいと思います。
本プログラムにご興味をお持ちの方や受講をご希望の方は、どうぞお気軽にお問合せください。皆さまからのお問合せを心よりお待ちしております。
プレスリリースは以下よりご覧いただけます。
20241210もりまちプレスリリース
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