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事例・ニュース・レポート

堀田たけいち

移住インタビュー

【vol.1】ゆび書き文字作家堀田さんの移住は勢いだった!?

ゆび書き文字作家の堀田たけいちさん。
わたくし共、“株式会社もりまち”のロゴも堀田さんの作品のひとつです。

岡崎市中山間地域の千万町町に移住されて約30年の堀田さんご夫妻。
ご主人のたけいちさんは、小学校高学年からお母さまの故郷である岡崎市の街中で暮らし、社会人になってからはサラリーマンの傍ら、指文字の活動をされていました。
52歳で会社員を辞めたタイミングで山の方へ移住したいと思い、それから約2年間、移住先を探す日々が始まったとのことです。

―なぜ、この地域を選ばれたのですか?

結論を先に言うと、額田(岡崎市中山間地域の一部地域名称)じゃなくてもよかったんです。
お勤めしていると、勤めているうちはなるべく会社に近いところがいいですからね。市内とか。

―お勤めをしながら指文字もされていたんですね。

はい。52歳でリタイアして、こういうことでやっていこうということになって。
そうすると、書いたものを広げたりするには家が狭い。
ところが勤めなくていいのだから、街の中に住む必要がない。それと広いところが欲しい、それとちょっと静かなところがいい、ということで色々探して、結果、ここになったと。

指書き

堀田さんと作品

―元々、家が建っているところに入られたんですか?

そうですよ。古いお家を岡崎の業者さんが買い取られて、それをリフォームされて、売りに出されていました。
家内と二人で、岡崎の中心部からそんなに遠くなくて、どこか山手、一色だとか切山だとか下山だとか2年くらい探しました。
しかし、空き家はいっぱいあっても貸してくれない。
はじめは買うつもりじゃなくて貸してもらうつもりで探していました。自分だけではわからないから、地元の農協さんなどに行って聞き込みをしました。
教えてもらった場所に訪ねて行くと大体言われるのは、「死んだおばあちゃんの道具がみんな入ってるからダメ。」と。
ずいぶん回ったけど、結局どこもダメでした。
それで結局2年位経ってから、岡崎市内の飲食店で、この辺りの学校の先生をやっている方と偶然一緒になって、「千万町町で一軒売りに出てる家があるぞ。」と紹介してもらい、すぐ見に来て、それがここでした。

―移住先を探すのに、条件やこだわりはなかったんですか?

逆に言うと、もっともっと本当は考えた方が良かったのかなって。
ただその頃はとにかく山の方に行きたい、広いところへ行きたいと、そっちが先になっていました。だから普通の街の中でお家を買う時でもそうだけど、立地条件だとか学校までかかる時間だとか下調べして、極端なこと言えば、晴れた日はどうだとか雨の日はどうだとかあるけれど、そこまで考えなかった。これはチャンスだって。
だからここがいけないとかではなくて、そこまで深く考えなくて。

―タイミングだとかご縁ですね。

そうですね。
この家も申し込んでここへ来ると、社長さんが売りに見えていて、内覧会に来られている方が他にもいるわけですよ。それで、購入希望者の方はここに書いてくださいって紙が置いてあって、私たちは8番目くらいだった。だからもう家内と無理だろうなって。
そしたら1か月くらい経ってから電話がかかってきて、「堀田さん、順番があたりました。おめでとうございます。」って。お金の都合とか前の家が売れなくなったりで、先の順番の人達が色々あって、回ってきたんですね。

―中の改装はその後されてるんですか?

基本的には最初からこうなっていました。
ただし、ここらの壁紙は漆喰ではなくて、和紙のような貼紙です。
ここには初め、可愛い壁紙が貼ってあったけれど、漆喰は塗れないので、それに似たようなものを貼ってもらいました。
あとは、戸は後からみんな取り替えました。
全部新しいのが入っていたのを、古いお家で捨てるようなものをみんなに頼んで取っておいてもらって、それに取り替えました。

壁

部屋の様子

―住むところは大事ですもんね。

やっぱり雰囲気ね。
家具やインテリアはほとんど前から持っていたものです。
ここで作品展を年に一回ずつくらいやるので、ディスプレイの作品が全部ここに並びます。日常的なものは全部しまってギャラリーにするので。
それ以前はこちらが他所に出て行って作品展をしていましたが、今はここでしています。

作品展の様子

作品

―もりまちのロゴ以外にも、この地域の様々な場で堀田さんの指文字をよくお見掛けします。

そう、千万町町の知り合いが手掛けている農作物のパッケージやパンフレット、そこの橋のところにも僕の字が書いてあります。額田中学の学校新聞や宮崎小学校のPTA新聞なども。お蔭様でよくしていただいて、地域のことは協力したいなと。

―地域へは根付いていこうと思って入っていったものなのか、自然と入ってきたものなのか。

自然とですね。そんなに意識したことなくて。
無我夢中でいろんなこと考えないで引っ越してきたでしょ。
その時点では隣近所の方がどういう方だとか、このエリアがどういうとこだとか、いろんな細かいことなんて全然知らないで、そうするとね、ここへ来て問題があったわけではないんだけど、やっぱりいろんな知らなかったことがね、街場では考えられないようなことがあるわけですよ。
昔からの習わしだとか、町内にお宮さんがあるかないかでも違うし。
年に何回かお手伝いをすることがあるだとか、お金がかかるだとか、そういうことを事前に納得した上でみえるのがいいですね。
僕の場合は広いところがほしいとか、なんだかんだでわーっと来ましたけど、ここにみえる方がどういうことがしたくて来るのか、例えば畑を借りてやりたいのか、田んぼがやりたいのか、山へ入りたいのか、そうじゃなくて静かなところで何もしないでじっとしていたいのか。
わたしはなんの気なしに来たけど、結果よかった。
地域の人とうまくやれて、ご近所もいいし。
だけどこういうところへ住もうとする方の、それなりの覚悟も必要かもしれないですね。

文字を書く堀田さん

 

 

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